メルク株式会社の中途採用事情

メルク株式会社の中途採用事情

 

創業300年を超える、世界で最も古い歴史を有していると言われている、ドイツの化学・医薬品メーカー、メルク。世界70ヶ国において、4万人近い従業員が働いている、世界有数のグローバルメーカーです。

 

その日本法人にあたるのが、メルク株式会社。約1000人の従業員から構成されています。近年、M&Aを繰り返して、大きくなっているので、組織の改編が相次いで、まとまりに欠けている、あるいは、統合のための準備やプロセスに、時間を取られがちといった傾向があります。

 

ただし、業績が安定していること、勤続年数が長い社員が多いことから、会社の雰囲気としては、非常にノンビリしていますし、社員同士の関係が良いので、人間関係のストレスとは無縁な会社です。(風通しの良い会社です。)

 

この後、詳しく触れますが、待遇面も悪くないので、この業界で転職を目指すのであれば、メルクは有力候補の一つと言えます。求人数自体は、それほど多くはないのですが、常時、何らかの募集がかかっているので、ぜひチャンスを模索してみてください。

 

このページでは、メルク株式会社の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめているので、転職活動の際に、参考にして頂ければと思います。

 

メルクの中途採用求人の傾向

メルクは、人材採用において、新卒よりも中途を重視しているので、常に一定数の求人が発生しています。募集対象となる職種は、営業、マーケティング、製造管理、品質保証、物流管理、製造技術、研究開発、経理財務、経営企画、人事、社内SE、調達購買などとなります。

 

いずれの職種においても、経験豊富なプロフェッショナルが求められているので、該当業務に関する実務経験が必須となります。

 

なお、研究開発職については、医薬、化学、ライフサイエンス、プロセスエンジニアリングなど、複数の領域に分かれる形で、その分野の経験者が募集されています。

 

また、他の職種においても、求人によっては、前職の業種、分野が細かく指示されていることがあるので、個々に確認するようにしてください。

 

なお、実務経験・知識以外では、メルクの場合、語学スキル(ビジネスレベルの英語力)が必須とされるケースが多くなっています。

 

求人情報の入手方法

メルクでは、公式サイト内に採用情報ページが用意されており、そちらから、現在、募集がかかっている有効求人について、検索出来るようになっています。ただし、ドイツ本国で利用しているシステムが、そのまま利用されているので、全て英語表記となります。

 

また、日本法人の求人が全て掲載されているというわけではなく、システムで検索をかけても、出てこない求人が、日本の転職会社が扱っているという事例があります。

 

メルクは、中途採用に関しては、民間の転職会社を積極的に利用していることが、その背景にありますが、会社の公式サイトだけを情報源としていると、漏れが出てくるので、公式サイトと転職会社、双方を押さえておくことをオススメします。

 

転職会社については、このページの最後に、メルクの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。

 

メルクに勤務する社員の年収・給与水準

メルクは年俸制となっていますが、具体的な給与額は、前職までの経歴・実績を加味して、決められるので、同じ部署・職種でも、個人差が非常に大きいです。年収ベースで、100万単位の差が生じることも珍しくありません。

 

そのため、年収の具体的事例を挙げても、あまり参考にはならないのですが、一つの目安として、数例リストアップしておきます。

 

メルクの社員年収

  • 研究開発 32歳 年収700万円
  • 研究開発 38歳 年収750万円
  • 研究開発マネージャー 48歳 年収950万円
  • 技術 32歳 年収550万円
  • 技術 32歳 年収700万円
  • 技術(主任クラス) 49歳 年収750万円
  • 技術マネージャー 54歳 年収1200万円
  • 財務 31歳 年収350万円
  • 財務(課長クラス) 51歳 年収950万円
  • MR 26歳 年収500万円
  • MR 31歳 年収700万円
  • MR 35歳 年収800万円
  • MR 47歳 年収680万円
  • MRマネージャー 31歳 年収900万円
  • MRマネージャー 38歳 年収1100万円
  • フィールドエンジニア 26歳 年収468万円
  • フィールドエンジニア 27歳 年収500万円
  • カスタマーサポート 31歳 年収300万円
  • カスタマーサポート 44歳 年収520万円
  • マーケティング 37歳 年収560万円
  • マーケティング(課長クラス)46歳 年収900万円

 

昇給については、年1回、外資としては珍しく、全員一律で上がりますが、金額自体は少額にとどまるので、元々の給与水準を考えると、あってないようなものです。

 

それよりも、勤務査定による実績評価のほうが、大きな影響を与えます。(評価制度の詳細については、次の項で、詳しく触れます。)

 

実績を出せば、それに見合う給与は得られます。年齢や性別、勤続年数などは一切関係ないので、そういった意味では、やり甲斐がある環境と言えます。

 

なお、各種手当については、通勤手当が付く程度で、住宅手当・家族手当などはありません。福利厚生については、確定拠出年金制度、定期健康診断、GLTD制度(病気や怪我で働けなくなった場合でも、60歳までは一定の所得が保障される制度)などが用意されています。

 

また、細かいことですが、社内にはフリードリンク、もしくは低価格で購入出来る自動販売機がありますし、昼食補助券がもらえるので、毎日の小さな出費を押さえることが出来ます。(案外、社員からの人気が高い福利厚生です。)

 

ただ、全体的に言えば、福利厚生や手当などが、年俸に含まれるという考え方なので、そこは外資と捉えてください。なお、残業代については、管理職も含めて、全額支給となっています。

 

メルクの評価制度

目標管理制度が導入されており、目標の達成率が、人事評価の基本となります。ただし、目標を数値化しやすい部署と、そうでない部署で分かれますが、営業など、数値化しやすい部署のほうが、評価が優遇される(甘い)傾向にあります。

 

また、最終的な査定においては、グローバル組織の上司が行うため、上司との相性・人間関係というのが、人事評価にダイレクトに影響を与えることになります。そのため、日頃から、上司とコミュニケーションを取って、意思疎通を図っておくことが重要です。

 

ちなみに、人事評価の内容は、昇給には直結しますが、昇進に関しては、かなり微妙です。上になればなるほど、ドイツ本社から送り込まれてきた駐在員が占める割合が高くなりますし、かつ、管理職に空きが出た場合には、外部から人材をリクルートしてくるケースが多いためです。

 

結果として、内部で昇進出来る人というのは、極めて限られるので、マネジメント層へのキャリアアップを狙うのであれば、どこかの時点で、再転職することを考えなければいけなくなる可能性が大です。

 

メルクは業界の最先端を走っているメーカーなので、メルクで働いている限り、最新の技術・見識を身につけることが出来るので、そこで培ったスキルを武器に、より好条件を提示してくれる同業他社へ移るというのは、合理的な判断です。

 

メルクは、給与が良いこともあり、ここまでを見越して、割り切って働いている社員は多いです。その反面、ノンビリ働ける会社でもあるので、キャリアは諦めて、定年まで働こうと考えている人も多く、結果的に、社員の平均年齢が高い(45歳前後)職場となっています。

 

成長環境・キャリア開発について

メルクは社員教育に対する意識が高い会社であり、年に数回、外部講師を招いてセミナーを開催しています。1回のセミナーは2日構成となっており、かなり濃い内容となります。

 

セミナーのテーマは、10種類ほど用意されており、その都度、自分が希望するものを選択出来るようになっています。そのなかには、マネジメント研修、コンプライアンス研修、海外研修なども含まれているので、どの職種、ポジションにいる人でも役立つものとなっています。

 

また、メルクの特徴として、交渉スキル、コミュニケーションスキル、プレゼンスキルといったものについては、徹底してトレーニングを行う会社です。これらは、どこでも通用するスキルなので、社員からは、非常に有益で自信になると、好評です。

 

一方、キャリア開発については、先ほども触れたように、昇進のチャンスが限られているので、あまり期待出来ません。ただし、メルクは個人に大きな裁量を与える会社なので、意欲さえあれば、様々な仕事にチャレンジすることが出来ます。

 

プロジェクトリーダー、チームリーダーとして、マネジメント業務を経験出来る機会も豊富ですし、元々、仕事量が多い職場なので、効率良く、仕事を回す管理能力も磨かれます。英語に触れる機会が多い会社なので、語学スキルについても、嫌でも身に付きます。

 

総じて、メルクはビジネスマンとしての自分を磨くことが出来る環境なので、別会社への転職ということも視野に入れれば、メルクで働くことは、キャリア形成のうえでは、かなり有用な機会です。

 

ワークライフバランスについて

メルクは、従業員のワークライフバランスに対する意識が高い会社であり、就労環境の整備に積極的に取り組んでいます。その結果として、残業は少ないですし、年20日間支給される有給は取り放題です。1週間ほどまとめて取得して、長期旅行に行く人も多いです。

 

フレックス勤務が導入されているので、スケジュール調整の自由度も高いですし、職場の雰囲気としては、お互いのことに干渉しないという空気があるため、自分のペースで働くことが出来ます。

 

ただし、これらは全て、自分の担当業務をキチンとこなしていることが、前提の話となります。先ほども触れましたが、メルクは仕事量が多い会社なので、テキパキこなしていないと、家に持ち帰って、仕事せざるを得なくなるなど、厳しい状況に追い込まれることになります。

 

メルクには、能力が高い社員が多く、勤務時間内に仕事を終わらせている人ばかりですが、それだけに、仕事に追いつかなくて忙しいとなっても、フォローしてもらえることはないですし、逆に出来ない人間だと、評価が下がることになります。

 

そういった意味では、非常に厳しい環境とも言えるので、この点は注意してください。また、部署によって、細部の状況は異なるので、ワークライフバランスを重視する人は、転職後、自分が配属されることになる部署の実情について、事前に把握しておくことをオススメします。

 

女性の働きやすさについて

メルクは典型的な外資なので、女性と男性で、仕事の内容に差がつくことはありません。メルクは、優秀な女性が多く、重要度の高い仕事を持って、活躍していますし、管理職の2~3割は女性なので、女性でもマネジメントポジションに就けるチャンスは十分にあります。

 

(ただし、外部の人材が優先的に配置されるという状況は変わりません。)

 

また、メルクは育児支援に対する理解が厚い会社であり、産休・育休、時短勤務といった制度を、自由に利用出来るようになっています。周囲の社員も、子供を持つ人に対する配慮を持っているので、急な休み・早退も受け入れてもらえます。

 

こういった職場なので、育休後、職場復帰する人の割合が高く、子育てと仕事を両立させている女性が多い会社です。なお、これらの制度は男性でも利用可能であり、実際に取得している人もいます。

 

メルクの転職先としての価値

ここまで、メルクの就労環境について見てきましたが、給与は高めですし、就労環境も良いので、十分に転職先としてオススメ出来る企業です。

 

昇進の機会が限られているというのが、唯一のデメリットと言えますが、再転職も視野に入れるのであれば、問題ないと思いますし、結果的に長く働き続ける人も多い会社なので(それだけ居心地が良いということなのだと思います)、一度働いてみるというのは、アリだと思います。

 

なお、メルクは、業界を代表するリーディングカンパニーだけあって、仕事の内容は面白く、出世することを望まなければ、毎日、やり甲斐を感じられる環境でもあり、実際、キャリアに対する興味はなく、今のままで良いという人だと、充実感を得て働いているケースが多いです。

 

いずれにしても、転職を考えているのであれば、メルクも候補の一つとして、選択肢に入れておいて損はないので、ぜひ真剣に検討してみてください。

メルクの中途採用求人の取り扱い実績が豊富な転職会社

下記に、メルクの中途採用求人を扱っている転職会社をリストアップしておきますが、彼らはメルクの社内事情に精通しているので、より細かい部分で、何か確認したいことがあれば、直接、問い合わせてみてください。

 

また、転職会社は様々な企業の求人案件を扱っているので、他社のことについて、聞いてみるのもアリです。他社と比較することで、初めて見えてくるものがありますし、もしかしたら、メルク以上に、自分に合う会社というのが存在するかもしれません。

 

転職先に希望する条件を伝えれば、それらの条件に合う企業をピックアップして紹介してくれるので、興味がある人は、他社のことについても、話をしてみてください。

 

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
  • 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。

 


転職を目指す会社が決まった場合、年収などの条件交渉を代行してもらうことも出来ます。年収アップに成功するケースが少なくないので、ぜひこういったサポートも受けてみてください。