ドイツでは、犬を1日8時間以上、放置してはいけないという決まりがあり、そもそも、そういった状態が避けられない人の場合、犬を飼うことは出来ません。(ドイツだと、一定の時間を犬に割けること、犬を養うだけの収入があることを証明することが、法律で定められています。)
また、一説では、5時間以上の留守番は、虐待にあたるとも言われています。犬は群れる動物なので、孤独な状態にさせるのは、心理的なストレスが大きいというのが、その理由のようです。
犬にとっての時間の流れは、人間の3~7倍にあたるので、5時間だと、人間の1日半近くになるわけで、そう考えると、納得のような気もします。
また、夏の暑い日に一時的に停電になって、クーラーが切れることで、室温が上昇して、熱中病になってしまうといった、事故に遭う確率が上がるというのも、理由の一つとされています。
とは言っても、共働きで働いていれば、毎日、昼間は留守番というケースは珍しくなく、日本の場合、むしろ、そういった家庭のほうが、今では普通だと思いますが、では、それで、日本で飼われている犬は、おかしくなっているのかと言われれば、そんなこともありません。
では、この長時間、放置するのは問題ということ自体、大げさなことなのでしょうか。
あなたは、この留守番問題を、どう考えられるでしょうか?
長時間の留守番を飼い犬にさせたことがある、管理人の体験談
私は、自宅勤務が許される仕事をしているので、現在、我が家でワンコを飼い始めた時にも、常に私が家にいる状態でした。仕事の都合などで、外出することもありますが、長くても数時間程度ですし、それも、週に1~2回あるかどうかという程度です。
そのため、基本的に、留守番の問題とは無縁だったのですが、3年ほど前、例外的に、長時間の留守番をさせていた時期があります。その時は、どうしても、オフィスに常駐しなければいけなくなり、朝9時ぐらいに家を出て、夜の7時ぐらいに帰ってくるという生活スタイルとなりました。
都合、10時間の留守番ですね。(妻も働いていて、家を留守にする時間は、私以上に長いので、結局、ワンコには、これぐらいの時間、毎日、留守番させていました。)
状態が心配だったので、ライブカメラを設置して、会社で様子を見ながら働いていたのですが、特に騒ぎ立てることもなく、おとなしかったので、まあ大丈夫と安心して、留守番させていました。
そんな時期が1年ぐらい続いた後、また、自宅勤務に戻ったのですが、その時に、あることに気付きました。
我が家では、2匹の柴犬を飼っています。(ヘッダーにある写真が、我が家のワンコです^^)
どちらもオスで、当時、5歳のチビと、1歳のコロスケです。コロスケを飼い始めてから、数ヶ月後に、オフィス常駐の状態になったので、コロスケにとっては、留守番というのは、当たり前のことですが、チビのほうは、4歳になるぐらいまでは、経験のなかったことなので、ストレスだったようです。
実は、これは留守番をさせていた時には、気付かなかったのですが、その時期のチビというのは、妙にケンカっ早い犬になっていました。元々はフレンドリーで、誰とでも仲良く遊ぶ犬で、『柴で、これだけ優しいのは珍しい』と、周りの飼い主さんからも驚かれるぐらいでした。
それが、4歳ぐらいになってから、急に周りの犬を威嚇するようになりました。ただ、その時には、4歳という年齢が原因で、成犬になって、『人見知りする柴らしくなってしまったんだな・・・』ぐらいに思っていました。
元々、柴はほかの犬とは距離を置く犬種というイメージがあり、実際、昔、実家で飼っていた柴犬は、みんなそうだったので、チビも普通になったぐらいにしか考えていませんでした。
ところが、私が自宅勤務に戻るようになったら、途端に、また元のフレンドリーな犬になりました。子犬の頃のように、じゃれ合って遊ぶということは、さすがに無くなりましたが、お尻のニオイを嗅ぎ合って挨拶をしたり、飼い主同士が立ち話をしている時にも、体を寄せ合って、仲良く座っていたりします。
あと、もう一つ変わったのが、人間に対する態度です。チビは人好きでもあるので、老若男女を問わず、誰にでも駆け寄っていくような犬なのですが、留守番をさせていた時には、妙によそよそしかったです。
今から考えてみると、成犬になって性格が変わったというわけではなく、留守番のストレスが原因だったのではと感じています。
留守番問題の結論は?
こんな経験をしているので、管理人自身は、虐待という言葉が当てはまるのかどうかは抜きにして、犬に長時間の留守番をさせるのは、良くないことだと考えています。
そのため、今では、数日間続けて、長時間の留守番をさせなければいけない時には、近所のペットホテルに預けるようにしています。
ゲージに入れるのではなく、部屋のなかで自由に動き回れるタイプのホテルで、自宅にいるのと同じような感じで過ごせるので、チビ・コロスケ、2匹ともに気に入っていて、いつも喜んで入っていきます。
(ペットホテルのスタッフさん、そこによく預けられているワンコ達にも懐いていて、妻とは、そのホテルのことを、『別荘暮らし』と呼んでいます。それぐらい、満喫しています。)
また、仕事のやりかたについても、オフィスに常駐するといったスタイルは、今後は絶対にやらないと決めていて、懐事情が許す限り、そういった話は断っています。
ただ、これは、あくまでも管理人個人の考え方なので、だから、犬に留守番をさせる飼い主はダメと批判するつもりはありません。
どうしても、仕方がなく、留守番をさせなければいけないという事情があるというのも、よく分かるからです。
なかには、留守番させることを分かっているのであれば、そもそも犬を飼うなという意見もありますし、私自身、その意見に納得なので、自分自身に対しては守ることを義務づけていますが、ほかの人に対しては、そういったことは言いません。
というか、言えません。それぞれの家庭の事情というものがありますし、では、その家の犬がかわいそうだからといって、自分が何か出来るのかと言われれば、何も出来ないからです。(そんな余裕はありません。)
敢えて出来ることがあるとすれば、こうやってブログで、『なるべく、長時間の留守番はさせないほうがいいよ』とお伝えするぐらいです。
犬のことで、他人に何かを意見出来る立場にはないので、『私は、こうする』という決意表明だけに過ぎないのですが、でも、こういった話が、犬のことを考えるキッカケになるかもしれないということで、こんな話をさせて頂きました。
わざわざ、犬を飼うぐらいですから、飼い主さんというのは、犬好きであることは間違いないですし、少しでも、自分の飼っている犬が幸せになってほしいという気持ちは共通だと思いますので、そのために出来ることがあれば、お互いに、どんな小さなことでも実行していければいいなと感じます。