国内営業と海外営業の違い

海外営業という言葉を見ると、何か特別なことのように思えるかもしれませんが、顧客とコミュニケーションを取って、自社商品を売るという点では国内営業と変わりません。

 

基本的に国内営業で実績を上げている人であれば、海外営業に回ったとしても、同じように結果を出せると思います。(最初は勝手の違いに戸惑うことはあるかもしれませんが。)

 

本質的な部分では国内も海外も全く一緒なので、そこは過度に意識しないことです。

 

海外営業と国内営業

 

ただし!

 

その反面、海外営業には国内営業とは違う独特の特徴もあります。そのなかで、主なものをリストアップしてみます。

 

1:異なる文化、考え方を持つ人を相手にしなければいけない

海外営業の場合、日本人とは違う文化背景、思考パターンを持つ人達と接することになります。日本人の感覚では普通のことが、海外では全く通用しないといったことがたくさんありますし、逆に日本人からすればとんでもないことが、現地では普通だったりします。

 

こういったギャップを乗り越えて、的確に意思疎通が出来る人でないと、海外営業は務まりません。

 

海外のビジネスマンは日本人と比較して、パワフルでアグレッシブなタイプが多いので、自分の意志を突き通せる人でなければ、交渉で押し切られてしまいます。

 

肉体的、精神的にタフであることは、海外営業に取り組むうえで最も大切な資質と言えるでしょう。

 

2:時間が不規則になる

海外の人間と直接、コミュニケーションを図る時に出てくるのが時差の壁です。たとえば、アメリカの人間とリアルタイムで連絡を取ろうとすれば、日本時間の午前8 時頃まで、ヨーロッパ・中近東・アフリカの場合は日本の夕方から深夜となります。

 

そのため、海外営業マンは、取引先の時間に合わせて、朝早くから出勤したり、深夜まで会社にいることが珍しくありません。

 

これは健康に良いことではないですし、人間らしい生活を営むうえでもネックになります。家族との関係がおかしくなるといったケースもあります。

 

時間管理をしっかりと出来る人でなければ、まともな生活を送ることすら出来なくなってしまいます。セルフコントロール能力は海外営業マンには必須と言えます。

 

3:法人営業がメイン

国内営業だと、一般ユーザーに対して営業をかけることもありますが、海外営業の場合には、会社同士の取引がメインなので、法人営業のみと考えてください。

 

また、営業活動を現地の代理店やパートナー企業に任せる仕組みを取っている企業も多く、提携パートナーの開拓や交渉がメインの仕事となることも少なくありません。

 

4:綺麗事だけでは通じないこともある

アメリカやヨーロッパのような先進国は別ですが、アジアやアフリカ、中東、中南米といった国々だと、賄賂や裏取引、脱税、グレー通関(不法に近い形での輸出入)などが、いまだに当たり前です。

 

これを日本人の感覚で『ダメ』と拒否していたら、取引になりません。かといって、相手のいいなりになっていたら、自社の利益を吸い取られてしまったり、違法行為に巻き込まれてしまいます。ケースバイケースで状況に合わせて対応する判断力が求められます。

 

5:貿易の知識が必要

貿易の知識は海外営業には欠かせません。輸送コストをどちらが負担するのかといったことは、取引交渉の際に重要な要素を占めますし、納期や発注条件を決める時にも、貿易の知識がないと、詳細を詰めることが出来ません。

 

通関業務といった実務作業を行うための知識は必要ありませんが、営業交渉を行う際に必要な基礎知識は身につけておく必要があります。

 

6:法務の知識が必要

貿易と同じように、ある程度は知っておくべき知識の一つが法務です。詳しいことはプロの弁護士にチェックしてもらうにしても、営業交渉を行ううえで知っておくべき知識というのは存在します。