アステラス製薬株式会社の中途採用事情

アステラス製薬株式会社の中途採用事情

 

2005年に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併して発足した、アステラス製薬株式会社。武田薬品工業・第一三共・大塚ホールディングス・エーザイとともに、国内製薬メーカー大手5社に数えられる、日本を代表する製薬会社です。

 

アステラス製薬では、旧・山之内製薬から引き継いだ、ハルナールなどの泌尿器領域の医薬品、旧・藤沢薬品から受け継いだ、プログラフなどの免疫抑制剤を主力商品としています。

 

国内最大規模の営業体制と、両社の強みを融合した研究陣を擁しており、2012年の医薬品売上高順位で世界第18位、2014年には国内首位の武田薬品工業を時価総額で追い抜くなど、近年大きく業績を伸ばしている会社です。

 

そういったこともあり、アステラス製薬は、外部からの人材獲得に積極的であり、中途採用の募集を積極的に行っています。このページでは、アステラス製薬の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。

 

アステラス製薬の中途採用求人の傾向

中途採用の対象となる職種ですが、品質保証、安全性情報管理、創薬研究、臨床開発、バイオ医薬品のプロセス開発・分析技術研究など、技術・開発関連の職種の求人が中心となります。

 

加えて、広報、知的財産管理、経理財務、人事、総務、経営管理、海外事業管理、営業(MR・営業企画)、マーケティングといった職種においても、求人が発生することがあります。

 

いずれの職種についても、アステラス製薬は、中途採用に関しては、一定の経験・スキルを持つ人材を採用するという方針を採っているため、最低でも3~5年程度の業務経験が必須になると考えてください。(求人によっては、10年以上の実務経験が要求されるケースもあります。)

 

職種によっては、学歴・資格についても、条件が課せられることがあるうえ、ほぼすべての職種において、ビジネスレベルの英語力が求められることがあります。

 

(TOEICスコア730以上というのは、一つの目安となりますが、ポジションによっては、860以上が必要となることもあります。)

 

かなりハードルは高くなりますが、それだけに条件を満たす人に対しては、好条件を提示する会社なので、自信がある人は、ぜひチャレンジしてみてください。

 

補足)中途採用に関する求人情報を入手する方法

アステラス製薬では、中途採用希望者向けの専用サイトを用意しており、こちらのサイトから、募集がかかっている求人の一覧・詳細を確認することが出来ます。
https://opt.portal.e2r.jp/fixurl/astellas_career_joblist/id/3/1

 

また、転職エージェント経由でも、募集をかけており、メディカル業界に強い転職エージェントに問い合わせれば、現在、募集中の求人について、教えてもらうことが出来ます。このページの最後に、代表的な転職エージェントをリストアップしておきますので、興味がある人はチェックしてください。

 

アステラス製薬の社員の年収・給与制度について

アステラス製薬に勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか事例を挙げると、下記の通りとなります。

 

アステラス製薬の社員年収

  • MR 20代前半 男性 年収 300万円
  • MR 20代後半 男性 年収 500万円
  • MR 20代後半 男性 年収 600万円
  • MR 20代後半 女性 年収 700万円
  • MR 20代後半 男性 年収 750万円
  • MR 20代後半 男性 主任クラス 年収 900万円
  • MR 30代前半 女性 年収 500万円
  • 研究開発 20代後半 女性 年収 750万円
  • 生産技術 30代前半 男性 年収 680万円
  • 研究開発 30代後半 男性 主任クラス 年収 1200万円
  • 研究開発 40代前半 男性 主任クラス 年収 890万円
  • 研究開発 40代前半 男性 主任クラス 年収 970万円
  • リサーチ 30代後半 男性 主任クラス 年収 850万円

 

給与レベルとしては、業界内でも高めの水準であり、従業員のなかには、タワーマンションを購入している人が、多数存在するほどです。

 

昇給は年1回、評価に応じて昇給率が決定されますが、30歳くらいまでは横並びで、30歳を超えると、個人差が生じるようになってきます。(これは中途採用で入社した場合においても、この傾向は変わりません。)

 

ボーナスは年2回、トータル6~7か月分が支給されています。内勤の場合は、大きな成果を上げることは難しいため、個人差はそれほど大きなものにはなりませんが、MRだと、実績重視となるため、同年代の同僚同士でも、年収ベースで200~300万の差がつくことが珍しくありません。

 

(ちなみに、最も高い営業評価を2期連続で取ることができれば、12か月分以上が支給されることもあります。)

 

また、アステラス製薬は住宅手当、残業手当、出張手当などの福利厚生も手厚く、就業地域などによって若干の差はありますが、月給で10~20万程度プラスになります。

 

なお、中途採用で入社する時には、前職までの実績を加味して、給与額が算定されることになりますが、交渉次第で額が変わるという要素もあります。

 

アステラス製薬の場合、給与水準が高い会社なので、提示額に納得出来ないというケースはあまりないと思うのですが、万が一、不満があるようでしたら、そこで妥協せずに、交渉するようにしてください。

 

中途半端な状態で引いてしまうと、後々まで後悔することになるので、言うべきことは言ったほうがいいです。

 

もし、お金の話をするのは気が引けるということであれば、前述した転職エージェントに交渉を代行してもらってください。彼らはプロなので、こういった交渉事に長けており、うまく話を進めてくれます。実際に、給与額がアップすることが珍しくないので、遠慮なくサポートしてもらってください。

 

アステラス製薬の評価制度について

アステラス製薬では、期初に設定した目標の達成度合いによって、査定が下されるMBO評価に加えて、本人の実績、及び、13項目からなる職務評価が査定対象となる多面的な評価制度が導入されています。

 

職務評価には、倫理観・コンプライアンス・製品知識・組織貢献・(短期的・中期的)戦略思考などが含まれます。

 

内勤の場合、職務評価と仕事に対する姿勢といったプロセス評価が重視される一方、MRの場合には、実績が評価の7~8割くらいを占めるなど、職種によって、重視される評価要素が変わってきます。

 

ただし、全社的な傾向として、成果主義の要素が、年々強くなってきており、若くして出世する人が増える一方、30歳あたりで、年収の伸びがストップしてしまう人もいるなど、昔と比べると、より厳しさが増した評価制度となってきています。

 

今後、この傾向がますます強くなるのは確実なので、実力主義の外資のようなイメージで、捉えておいたほうが、より確実です。

 

成長環境について

アステラス製薬の社内研修制度は、非常に充実しており、本人の希望に合わせて、自由に受講することが出来ます。また、外部研修の受講に関しても、会社側が積極的に推進しています。受講する際には、直属の上司からの承認が必要となりますが、おおむね希望が通る状況です。

 

また、アステラスビジネススクールという、研修制度も用意されており、各業務に関する専門知識を習得するだけでなく、より汎用的なビジネススキルを学ぶことが出来ます。

 

これは、製薬業界はもちろんのこと、どの業種でも通用するものなので、他社に転職することになった時にも、武器になります。

 

また、アステラス製薬は、社員のキャリア形成に対するバックアップに力を入れており、ジョブチャレンジといった、他部署への公募制度を設けているほか、キャリアパスについては、第三者機関に相談することが出来るようになっています。

 

相談した内容については、人事部や上司にも伝えられないようになっているため、気軽に相談出来ます。

 

このように、アステラス製薬は、社員の育成・キャリア形成に対する意識が高い会社なので、キャリアアップを目指す人、成長意欲が高い人にとっては、十分に満足出来る魅力的な職場と言えるでしょう。

 

ワークライフバランスについて

アステラス製薬では、裁量労働制、もしくはフレックス勤務のいずれかを選択する仕組みとなっており、いずれにしても、働き方に関しては、かなり自由です。自己管理能力さえあれば、自分の都合に合わせて業務スケジュールを調整しながら、好きなように働けます。

 

また、以前は、アステラス製薬は有給の取得率が低い会社でしたが、近年は働き方改革が進められており、有給を取得しやすい状況になってきています。部下の有休取得率が、自分の評価につながるシステムになっているので、上司からの承認が得やすくなっています。

 

また、毎週金曜日はファミリーフライデーとして、終業時間が16:00に繰り上がるなど、社員のプライベートに対する配慮が何かとある会社です。(プレミアムフライデーの遙か先を行っている企業ですね。)

 

ただし、MRだと、土日に講演会に出席するため、休日出勤の機会が増えますし、グローバル化が進んでいる影響で、海外との協働が多いポジションだと、相手にあわせて、夜遅い時間に会議に参加することが求められたりします。

 

自宅から参加することが出来るので、このあたりは融通が効きますが、ワークライフバランスを維持しようとする場合、業務をマネジメントする能力が、より重要になってくると考えてください。

 

女性の働きやすさについて

アステラス製薬では、女性の活躍を推進しており、キャリア形成において、男女の差別はありません。実際、女性の管理職が増えてきています。

 

ただし、ダイバーシティを掲げている会社で見受けられるような、女性を優先的に昇進させるというような特別待遇は一切ないので、純粋に実績勝負の世界と捉えてください。

 

育児支援体制に関しては、産休・育休があるほか、時短勤務制度(小学校3年生まで)、在宅勤務制度もあるので、出産後も働きやすい環境となっています。(職場復帰している女性が数多く見られる会社です。)

 

在宅勤務の場合、自宅から電話会議へと参加出来る環境が提供されて、会社にいるのと同じ環境が担保されるので、何不便なく自宅で働くことが出来ます。

 

その一方で、結婚後はバックヤード業務に異動したり、配偶者の転勤にあわせて異動するといったことも可能です。子供を持つ女性にとっては、働き方の選択肢が増えるので、自分のスタイルに合わせて、勤務態勢を整えることが出来ます。

 

ちなみに、子供が塾やお稽古ごとなどに通っている場合、補助金が支給される制度が用意されており、このあたりのサポートは、かなり手厚いです。

 

アステラス製薬の転職先としての価値

ここまで、アステラス製薬の就労環境について、色々な角度からお伝えしてきましたが、給与水準が高く、かつ、職場環境が良好な企業が多い製薬業界のなかでも、アステラス製薬はトップクラスなので、転職を目指すには良い会社です。

 

ただし、実力主義の傾向が強くなっており、仕事の成果に対するプレッシャーは、年々、キツくなっているので、会社側の要求に応えられるだけの能力・スキルが必要ですし、ハードワークも厭わない姿勢も必須です。

 

ハードワークというのは、労働時間が長いということではなく、仕事に対する取り組みの真剣度を意味しています。要は徹底的に集中して、短い時間で成果を出すこと、多くの業務をこなすことが求められるということです。

 

そのため、勤務時間中はノンビリしているといったことは、まず出来ない職場です。仕事にエネルギーを注げるような人でないと、アステラス製薬で働き続けることは難しいでしょう。

 

そういった働き方を望むのかどうか、自分のスタイル・趣向と照らし合わせながら、アステラス製薬への転職について、検討するようにしてください。この判断を間違えると、仮に転職出来たとしても、かえって不幸になるだけなので、要注意です。

 

製薬業界に強い転職エージェント

下記に、製薬業界に強い転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らはアステラス製薬の社内事情に精通しているので、自分一人では判断に迷うという時には、相談してみてください。客観的な視点で、冷静にアドバイスしてくれます。

 

もし、その結果として、アステラス製薬は止めておいたほうがいいとなった時には、他社の求人を紹介してもらうことも可能です。転職エージェントは様々な企業の求人案件を扱っており、そのなかには、アステラス製薬以上に、自分にとって魅力的な企業が存在する可能性が十分にあります。

 

実際、自分では想定していなかったという求人を、転職エージェントから紹介してもらうことで、転職に成功したというケースは、現実の話として、かなり多いので、このあたりはうまくサポートを受けてみてください。

 

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
  • 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。