日本人にとっても、海外就職、海外勤務が当たり前の時代になりましたが、そのなかでも、シンガポール・香港はアジアでも群を抜いた先進国ということもあり、多くの日本人が働くようになっています。
それだけに、シンガポール絡みの求人情報は、日本にいても簡単に入手出来ます。会計士の知識・スキルを活かせるような仕事も多数存在するので、このページでは、こういった求人情報を把握するための方法についてお伝えします。
ちなみに、厳密にいえば、現地採用となる求人、日本採用でシンガポールに駐在員として赴任する形になる求人の二パターンに分かれることになりますが、それぞれ、情報の入手ルートが違ってくるので、区別してお伝えするようにします。
なお、両者を比較すると、圧倒的に条件が良いのは後者なので、収入を第一に考えるのであれば、日本採用の求人を狙うようにしてください。
シンガポール現地採用の求人情報を入手する方法
現地採用の求人情報というのは、基本的に現地の情報媒体にしか載っていないものですが、シンガポールの場合、日本の大手転職会社が、現地に関連会社を設立しており、こういった会社のサイトを確認すれば、求人情報を入手出来ます。
会計士向けの求人情報を扱っているサイトということでいえば、下記のサイトが代表的なものとなります。
- RGF HR Agent
http://www.rgf-hragent.asia/singapore/typ_finance%20%26%20accounting
- JACリクルートメント
http://www.jac-recruitment.sg/index-jp.html
転職会社の運営サイト以外では、シンガポールのビジネス情報を集めたサイトのなかで、現地採用の求人情報を掲載しているサイトがあります。下記の2サイトであれば、日本の公認会計士やUS CPAを保有する人材を募集する求人を見つけやすいです。
- AsiaX
- アブローダーズキャリア
傾向としては、会計事務所や監査法人よりも、民間企業やコンサルティング会社からの求人のほうが多くなっています。民間企業だと、経理、財務、経営企画といった職種での募集となり、マネージャークラスの求人も少なくありません。
コンサルティング会社だと、現地の日系企業向けの会計税務コンサルティング業務、監査業務、会社設立支援業務といった内容の案件となります。
会計士や税理士の資格を保有していること、会計・監査分野での実務経験を有すること(一般職でおおむね3年以上、マネージャークラスで8~10年以上)、ビジネスレベルの英語力を身につけていることなどが、応募条件となっています。
転職希望者に対する要求度はかなり高くなりますが、それと比較すると、給与条件は低めです。本人の実績次第ではありますが、一般職で月収30~50万円、マネージャークラスで月収70~100万円ぐらいというのが、おおよその目安です。
この数字が多いのか少ないのかというのは、これだけでは分かりづらいのですが、日本で同等レベルの仕事に就いている人と比較すると、2~3割少ないというのが実情です。
ちなみに、これは為替も絡んできており、1ドル100円ぐらいの円高になると、減少率は4割ぐらいになり、さらに収入差が広がります。
わざわざ、海外に行くのだから、日本より給与が良くなければ意味がないと思う人が多いと思いますが、話は逆というわけです。さらに、駐在員の場合、駐在手当や現地での生活費・居住費などが支給されますから、日本で採用されたほうが、遙かにオイシイということになります。
さらに、現地採用となった場合には、年金や退職金などもカバーされないケースが大半なので、そういったことも含めると、さらに不利な条件に置かれることになります。
上記で触れたように、現地採用求人のハードルは高いので、仮に、この条件をクリアして転職出来るような人であれば、日本でも会計士として十分にやっていけます。(かなりの高給取りになれると思います。)
どうしても、日本の雰囲気が合わなくて、シンガポールに移住したいといった人でもない限り、現地採用の求人に応募するのは避けたほうがいいです。
今現在、シンガポールで働いているという人でも、帰国することを前提に、日本で仕事を探したほうが賢明です。(それで、シンガポールに赴任という形になったほうが、給与は確実にアップします。)
ただし、唯一の例外が金融関係で、外資の投資銀行や投資ファンドなどから、一流と認められるような人であれば、日本以上の収入を手にすることが出来ます。
日本の会計士の資格うんぬんとは違ってくる話ではありますが、金融業界での勤務経験が長い人は、現地の転職エージェントに相談してみるのもアリです。
<シンガポールの転職エージェント>
- Hays
- Robert Half
https://www.roberthalf.com.sg/
シンガポール駐在の海外勤務求人情報を入手する方法
では、次に、シンガポール駐在を前提とした求人情報を入手するための方法ですが、これは簡単です。日本の大手転職エージェントのなかで、海外勤務案件の取り扱い実績が豊富なエージェントに問い合わせれば、幾らでも教えてもらえます。
あるいは、会計士専門の転職支援サービスを展開しているエージェントに問い合わせるという方法もあります。
<海外勤務案件を得意とする転職エージェント>
<会計士専門の転職エージェント>
このなかでは、リクルートエージェント・マイナビ会計士の2社は、特に保有求人数が多いので、かなり有力な情報源となります。(シンガポール駐在絡みの求人の取り扱い実績も豊富です。)
海外勤務案件の場合、同じ業務内容の求人でも、個々に応募条件が違っており、経験豊富なプロフェッショナルを募集する求人もあれば、公認会計士の資格を持っていれば経験不問、未経験者でも応募可といった求人もあります。
海外経験や語学力の有無についても、求人ごとに違ってくるので、逆にいえば、どんな人にもチャンスがあると言えます。経験やスキルに不安がある人でも、一度、エージェントに相談してみてください。
最後に、これは補足ですが、シンガポールで働いてみたいけど、海外経験がないので不安という人の場合、日本国内勤務を経て、現地に赴任するタイプの求人に応募するという選択肢もあります。
1年程度、国内で働きながら、業務遂行に必要な知識を身につけて、そのうえでシンガポールに赴任することになるので安心です。語学が苦手という人の場合、この間に英語を覚えるということも可能です。
会計事務所、もしくは会計分野での勤務経験があることが前提になってくるケースが多いので、実務未経験者だと厳しいのですが、既に会計士として働いているという人であれば、採用される可能性は十分にあるので、ぜひチャレンジしてみてください。
※補足
リクルートエージェントは、元々、英語が得意な人の転職支援に力を入れていましたが、最近では、入社後、勉強して身につけることを条件に、今現在の英語力については不問とする採用方針を採る企業からの求人についても、取り扱うようになっています。
そのなかには、海外出張や海外勤務の機会が想定される求人も含まれるので、興味がある人は、リクルートに相談してみてください。
なお、20代・30代の人には、マイナビエージェントという転職会社もオススメです。リクルートとは、また違った系統の求人を確保しているので、両者をダブルで利用すると、多角的に情報を集められるので、よりチャンスが広がります。
特に、第二新卒者の場合、好条件の求人を紹介してもらえる可能性が大です。一方、30代後半以降の経験豊富な人の場合、マイナビはそれほど良い求人を扱っているわけではないので、それほど期待は出来ないです。(他社のほうがオススメです。)