下記のページにおいて、薬剤師が接客、調薬指導を英語で行えるようになるために、語学のスキルを身につけたいのであれば、音読が最強の勉強法というお話をしました。
このページでは、音読学習の進め方について、詳しく解説していきます。具体的な手順としては、こんな感じです。
- 音読の素材を音声付きで用意する
- 素材の音声を丁寧に聴く
- 音声を真似られるようにする
- 一つの文章を30回、読み返す
- 4のサイクルを数日にわたって繰り返す
- 自然に口から出るようになるまで、繰り返す
1:音読の素材を音声付きで用意する
まずは音読に利用する素材を用意しなければいけません。通常の英語学習であれば、『よくある日常会話フレーズ集』といったものが素材となりますが、薬局やドラッグストアでの接客という目的があるのであれば、その目的に直結したフレーズを音読したほうが、より効果的です。
下記のような、薬局で使用する表現をまとめたフレーズ集を利用するようにしてください。
ほかにも、色々な書籍が出ているので、興味を持ったものを選べばOKですが、注意点としては、必ずネイティブの音声が付いている本にしてください。
正しく発音できなければ、外国人の患者さんには通用しません。これでは、幾ら覚えても意味がないので、必ず、ネイティブの音声で発音を確認できるようにしておいてください。
ここまで準備ができて、初めて、音読学習に取り組めます。
2:素材の音声を丁寧に聴く
音読する時には、フレーズを一つずつ声に出していきますが、まずは発音のチェックです。音声を聞いて、どんなふうに発音するのか理解してください。
3:音声を真似られるようにする
音声を聴いたら、その音声通りに口にします。最初のうちは、自分が声に出す英語が、ネイティブの音声とは違っていて、違和感を覚えると思いますが、聴いて真似るということを何度も繰り返すと、だんだんしっくりきます。
自分の音声がネイティブの発音と同じようになったら、音声を聴くという作業は終了です。
4:一つの文章を30回、読み返す
正しく発音できるようになったら、そのフレーズを何度も読み返してください。ここが音読のポイントです。何度もしつこく繰り返すと、嫌でも頭に残るので、暗記しようとしなくても、自然に覚えてしまいます。
ここが音読学習の最大のメリットですが、読み返しの回数が多ければ多いほど、効果があります。ここでは30回としておきましたが、50~80回繰り返すべきという説もあります。なので、30回というのは最低ラインと捉えてください。
5:4のサイクルを数日にわたって繰り返す
英語の勉強をした経験がある人であれば、分かると思いますが、どれだけ頑張って覚えたことでも、次の日には忘れているものです。
ですから、必ず復習を習慣づけてください。前の日に勉強したことは、次の日に繰り返してください。できれば、一度勉強したことは、1週間ぐらい復習を続けたほうがいいです。
1週間、決まった表現を口に出し続けるということになりますが、ここまで徹底すれば、必ず覚えられます。これだと、数はこなせませんが、薬剤師が接客をするうえで、必要なフレーズというのは、そんなに多くはないので、少しずつ確実にモノにしていったほうが、かえって効率はいいです。
また、こうやって徹底して覚えることのメリットとして、英語の思考回路が脳のなかに出来上がるので、新しいフレーズを勉強する時に、それまでよりも短い時間で覚えられるようになります。
テレビのCMを何度か聴いているうちに、耳について離れなくなってしまったという経験をしたことがあると思いますが、そんなことが英語で起きるようになります。
こうなれば、英語の勉強は楽です。何事も最初が重要です。焦らず、一つ一つのフレーズを、確実に覚えるようにしてください。
6:自然に口から出るようになるまで、繰り返す
1週間も続ければ、覚えられると思いますが、人間の記憶というのは、曖昧な部分があるので、時間をおいて、本当に覚えたのかどうか、テストしてみてください。
1~2ヶ月後ぐらいに、やるといいと思います。それでも、覚えていたら大丈夫です。もし、忘れていたら、そこで再度、音読に取り組みます。今度は3日ぐらい続ければ十分でしょう。
その後は、また時間を置いて再テストです。このサイクルを繰り返して、間が空いても忘れないようになるまで、繰り返してください。
まとめ:音読は筋トレと一緒
音読というのは、とても単純なやりかたですし、勉強というよりは、エクササイズに近い感覚です。口に出して読むというのは、カラオケと一緒で、気持ちがいいことでもあるので、勉強が嫌いな人でも続けられると思います。でも、学習効果には絶大なものがあるので、ぜひ実践してください。
最後に繰り返しになりますが、薬剤師の仕事に必要な表現に絞って覚えるようにしてください。仕事と直接、関係がないことでも、覚えることに意味はありますが、英語で接客できるスキルを短期間で身につけるためには、無駄なことはしていられません。
ですから、『何を覚えるのか?』ということには、こだわってください。