ゴールドマン・サックス証券の中途採用事情

ゴールドマン・サックス証券の中途採用事情

 

株式・債券・通貨・不動産取引のブローカーであり、貸付・保険・投資銀行業務に加え、プライベート・バンキングも行う、世界有数の金融グループ、ゴールドマン・サックス。モルガン・スタンレーやJPモルガン、メリルリンチ等と共に、投資銀行業務の幅広い分野において、業界上位に位置しています。

 

社員の平均ボーナスが6500万円を超えるという報道でも、有名な会社であり、テナント経営をしたり、レストランを開いたりと、副業をする社員が多いのも、この会社のユニークな特徴です。

 

その日本法人にあたるのが、ゴールドマン・サックス証券。1974年に東京駐在員事務所を開設して以来、投資銀行業務、セールス&トレーディング業務を中心に、幅広い金融サービスを提供してきています。

 

アメリカ本社同様、日本法人にも、優秀な人材が集まっており、社内での経験を活かして、独立して、自分の事業を立ち上げる人も多く、独立心の高い人にとっては、何かと刺激的な職場といえます。(こういった人達との人脈を作れるというのも、大きな魅力のようです。)

 

ゴールドマン・サックス証券は、常に有能な人材を追い求めており、中途採用の求人についても、常時、多数の案件が見つかります。

 

このページでは、ゴールドマン・サックス証券の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与水準、社内の就労環境等についてまとめていますので、参考にしてください。

 

中途採用求人の傾向

ゴールドマン・サックス証券は、新卒採用も行っていますが、主軸は中途採用に置いており、MBAやCFAホルダー、もしくは、大手邦銀・証券会社、他の外資系金融機関等で、秀でた実績を残していている人材を、積極的に採用しています。

 

ゴールドマン・サックス証券は、完全な実力主義の会社なので、社員が自分の能力を最大限に発揮することが出来るような、環境や制度が整えてられており、実力がある人にとっては、このうえなく、やり甲斐を感じることが出来るはずです。

 

なお、ゴールドマン・サックス證券において、中途採用の対象となる職種は、多岐に渡りますが、主なものをリストアップすると、下記の通りとなります。

 

人事、財務、内部監査、法務、契約管理、トレーディング、リスク管理、カスタマーサービス、オペレーション、アナリスト、投資調査

 

企業投資部門、投資銀行部門、アセットマネジメント部門、リアリティ・マネジメント部門など、部署単位での採用となり、いずれの職種においても、即戦力として活躍出来るだけの経験、見識を有することが、必須応募条件となります。

 

求人ごとに、具体的に必要とされる経験、スキル、技術の内容が異なるので、詳細については、個々に確認するようにしてください。

 

求人情報の入手方法

ゴールドマン・サックス証券においては、求人情報ページは開設されておらず、ゴールドマンサックスグループ本体のサイト内にある『Career』ページにおいて、確認することになります。
http://www.goldmansachs.com/careers/index.html

 

このページは、全世界の求人情報を一括管理しているものですが、日本法人から出ている求人全てが網羅されているとは限りません。

 

その一方で、ゴールドマン・サックス証券は、中途採用に関しては、国内の転職エージェントにも、人材採用を一任しており、転職エージェントからも、求人の告知が行なわれているため、そちらに問い合わせたほうが、より確実です。

 

このページの最後に、代表的な転職エージェントをリストアップしておきますので、参考にしてください。

 

社員の年収・給与制度について

ゴールドマン・サックス証券に勤務する社員の給与水準ですが、幾つか具体的な年収事例を挙げると、下記の通りとなります。(職種別にまとめています。)

 

ゴールドマン・サックス証券の社員年収

  • リスク管理アナリスト 25歳 年収700万円
  • 経理財務 25歳 年収900万円
  • 社内SE 33歳 年収1300万円
  • 社内SE 34歳 年収1800万円
  • 社内SE 37歳 年収1500万円
  • ITシニアエンジニア 30歳 年収1200万円
  • 営業 25歳 年収1100万円
  • 営業 31歳 年収2000万円
  • オペレーション 26歳 年収650万円
  • 契約管理 24歳 年収700万円
  • 経営企画 29歳 年収1400万円
  • 投資銀行アナリスト 32歳 年収4800万円
  • 投資銀行アソシエイト 30歳 年収3000万円
  • プロジェクトマネージャー 30歳 年収1220万円
  • トレーダー 25歳 年収7936万円
  • トレーダー 26歳 年収1200万円
  • トレーダー 32歳 年収3600万円
  • 金融商品開発 42歳 年収2780万円
  • 事務管理 31歳 年収1728万円
  • 事務管理 33歳 年収1477万円
  • 事務管理 36歳 年収2067万円

 

ゴールドマン・サックス証券の報酬水準は、ほかの外資系金融機関と同じように、世界水準であり、日系企業では有り得ないぐらいの高額となっています。特に、フロントオフィスは、その傾向が強く、一応の目安を挙げると、下記のような感じとなります。

 

ゴールドマン・サックス証券の社員年収

  • アナリスト(新卒~3年目) 1500万円~2000万円前半
  • アソシエイト(4年~7、8年目) 1000万円後半~4000万円前後
  • VP(Vice President, 国内企業では課長相当、8年目以降~) 3000万円~1億円程度
  • MD(Managing Director, 国内企業では部長相当)で5000万~10数億円程度

 

ただし、完全な実力主義で、実績次第で具体的な収入額が変わってくるので、上記の数字は、あくまでも参考値と考えてください。(たとえば、MDでも、グローバルでの役員クラス、トップトレーダーともなれば、50億円を超えるケースが、ザラです。)

 

2004年度には、生え抜きの30代の日本人社員が、所得税額3億6000万円で、推定所得10億円以上で高額納税者番付全国74位に入るくらい、一般的なサラリーマンとは全く別の給与水準となっています。

 

バックオフィス、ミドルオフィスとなると、もっと常識的な数字となってきますが、それでも、30歳前後で1000万円を超えるのが普通なので、同業他社と比較しても、好待遇と言えます。

 

中途採用で入社する時の注意点

ゴールドマン・サックス証券は、完全実力主義の会社なので、中途で入社する時には、それまでの実績を考慮する形で、給与額が算定されることになりますが、ここは交渉次第でもあるので、会社側から提示された金額に納得がいかない時には、希望条件を伝えて交渉するようにしてください。

 

適切にアピールすることで、幾らでも数字が上がる可能性がある会社だけに、妥協してしまうのはもったいないです。もし、こういった条件交渉が苦手ということであれば、前述した転職エージェントに、交渉の代行を依頼してください。

 

彼らは、転職のプロなので、この手の交渉に慣れており、うまく話を進めてくれます。条件アップに成功するケースが珍しくないので、ぜひ一度、相談してみてください。

 

人事評価・昇給制度について

ゴールドマン・サックス証券では、360度の人事評価制度が導入されています。上司からの視点だけではなく、幅広い社員からのフィードバックが、評価に取り入れられるようになっており、これにより、自分の長所や改善点を、多面的に理解することが出来ます。

 

実力主義の会社なので、結果を残せば、それに見合う見返り(昇進・昇給)が得られますし、社内公募制度があるため、国内外の他のポジションに、ジョブチェンジすることも可能です。

 

国際金融の最前線を走る会社だけあり、正直、仕事自体はとてもハードです。プロジェクトによっては深夜まで仕事が続くことがありますが、それを上回る報酬を手にすることが出来るので、納得して働いている人ばかりです。

 

なお、ゴールドマン・サックス証券は、外資系ですが、日本的な表現をすると、「体育会系」の組織でもあり、上司や同僚との関係性というのも、人事評価に響いてきます。

 

日本企業でよくあるゴマすりや、上司へのコミュニケーションを高めるだけで自分の評価が上がるといったことは、さすがに無いのですが、かといって、周囲との人間関係をおざなりにしていると、それは、マイナスの評価につながると考えておいたほうがいいです。

 

成長環境について

ゴールドマン・サックス証券は、ハードワークが当たり前の金融業界のなかでも、1、2を争う圧倒的な仕事量で知られています。そのため、日常業務に取り組むなかで、仕事を効率的にこなす力、マルチタスクで仕事を進める力が、嫌でも伸びることになります。

 

また、様々な国籍の人間が、お互いに対等な立場で、自由にモノを言いながら、仕事を進めていく、真にグローバルな環境なので、自分の意見を主張しつつも、多様な意見を聞き入れ、最善の策を導き出して実行する力といったものも、実務を通じて、養われることになります。

 

とてつもなく大きな金額を若いうちから動かすことになりますし、フロントオフィスであれば、自分が背負う売上のノルマも、かなり巨大な額となるなど、日々、大きな責任とプレッシャーのなかで、仕事に取り組むことになるので、精神的なタフさも、磨かれます。

 

仕事をするうえで、最も重要な部分である考え方についても、改善の余地のある事柄については、不満として吐き出すのではなく、自分もその状況を形成する一部として、主体性を持って、改善方法を模索して実行するという発想が、自然となります。

 

この考え方は、ゴールドマン・サックス証券でのキャリアということだけではなく、今後の人生を前向きで主体的に進めるうえでも、極めて大きな基盤になってきます。

 

こうやって見ていくと、この会社で働く機会というのは、ビジネスマンとして、どうということではなく、より良い人生を過ごすという観点で見ても、将来につながる環境と言えます。

 

(仮に、将来的に、別の会社に移ることになったとしても、5年以上、ゴールドマン・サックス証券で働いていれば、それは、転職市場においては、ビジネスマンとしての有能性を証明するものとなり、非常に有利となります。)

 

色々と長くなりましたが、自己成長に対する関心が高い人にとっては、間違いなく、やりがいを感じられる会社と言えます。

 

ワークライフバランスについて

先ほども触れたように、ゴールドマン・サックス証券は、ハードワークが当たり前の会社なので、ワークライフバランスについては、期待しないほうがいいです。

 

その場で対応しなければいけないような、緊急性の高い事柄、突発性の高い事柄が、毎日起こるので、予定通り仕事を済ませて、定時に退社するというのは、基本的に無理です。

 

かつ、部署によっては、海外とのコールが頻繁にあり、主要拠点(ニューヨーク、ロンドン、インド、香港、日本)のメンバーが集まれる時間ということで、ミーティングが、必然的に夜20時~22時に設定されることになりますが、週に複数回そのようなことがあるのが、珍しくない環境です。

 

バックオフィスだと、ほかの部署よりは、負担が軽くなりますが、それでも、帰宅時間は20時くらいです。(これで、ずいぶん早いと感じるようなレベルです。)

 

投資銀行部門や証券部門だと、「最初の一年間は一日たりとも休みがなかった」というケースが珍しくないので、この状況に納得出来る人でないと、ゴールドマン・サックスで働き続けることは、まず出来ないでしょう。

 

ちなみに、こういった生活でも、数年間続けていくと、仕事に慣れてきて、効率性が高まるので、それなりに、自分の時間が出来てきます。また、そういった激務のなかでも、効果的にリフレッシュする術が身に付いてくるので、実は、楽しそうに仕事をしている社員が多いです。

 

(どこに、そんな時間があるのかというくらい、自分の趣味を満喫したり、遊び回っていたりする人もいます。)

 

女性の働きやすさについて

ゴールドマン・サックス証券は、良い意味で、男性だから、女性だからという違いがなく、完全実力勝負の公平な世界です。

 

その反面、日本では、保活問題が深刻になっているなか、2010年ごろから託児所を設置しており、子どもを持つ人でも、安心して第一線で働くことが出来るようになっています。

 

仕事はハードですが、リモートワークなど、フレキシブルに働ける環境が整っているため、自分の工夫次第で、仕事と家庭の両立は十分に可能です。現に、ゴールドマン・サックス証券では、多くの女性が活躍しています。

 

ちなみに、マネージャーを目指してガツガツ働く人もいれば、ワーキングマザーとしてタフに働く人、マネージャーではないけれど、専門職としてコツコツ働く人もいるなど、様々なタイプの女性が働いており、これは、多様な働き方が出来るということを意味しています。

 

女性だからといって、働きにくいと感じることはないですし、自分の生活環境などを加味して、納得が出来る働き方を追求することが出来ます。

 

※補足
育休から戻った女性社員が早く帰ることで、独身社員、子どもがいない社員への負担が大きくなり、両者の間で、軋轢が発生するというケースが見られることがあります。

 

子育てを優先して、仕事をセーブしながら働くには、職場の同僚や上司と、日頃から、コミュニケーションを取って、協力を得られるような人間関係を維持することが、必須事項です。

 

ゴールドマン・サックス証券の転職先としての価値

ここまで、ゴールドマン・サックス証券の就労環境について、様々な角度から見てきましたが、高収入が代名詞の外資金融のなかでも、トップクラスの給与水準ですし、ハードワークではありますが、労働環境自体は、整備されているので、転職先として見た場合には、申し分がない企業です。

 

ただし、成果に対するプレッシャーは強いので、実力主義の世界で、勝負したいという人でないと、この会社で働き続けることは難しいでしょう。

 

また、当然ですが、上司が外国人になるケースも多いので、外国人相手とのコミュニケーションには、気が引けるという人も、ゴールドマン・サックス証券で働くのは難しいでしょう。

 

逆にいえば、こういったことが苦にならなければ、世界規模で見ても、トップクラスの会社なので、毎日、仕事をこなすことが、自分を成長させることにつながり、世界で通用する能力を身につけたいという人には、最良の環境です。

 

こういったことを加味すれば、ゴールドマン・サックス証券に合うタイプ、合わないタイプというのは、ハッキリ見えてくると思います。自分はどちらになるのか、冷静に見極めたうえで、ゴールドマン・サックス証券への転職を目指すかどうか、判断するようにしてください。

ゴールドマン・サックス証券の中途採用求人を扱う転職エージェント

最後に、ゴールドマン・サックス証券の中途採用求人を扱っている転職エージェントをリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、判断に迷うようでしたら、ぜひ一度相談してみてください。客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。

 

また、転職エージェントは様々な企業の求人情報を押さえているので、他社のことについて聞いてみるのもアリです。もしかしたら、ゴールドマン・サックス証券以上に、自分に合う会社が見つかるかもしれません。

 

転職先を決める際に、選択肢が多いに越したことはないので、ぜひ、他社の求人についても、紹介してもらってください。

 

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
  • 年収600万円~2,000万円の方にオススメのサービスです。