本田技研工業の中途採用事情

本田技研工業の中途採用事情

画像出典:SAUD AL-OLAYAN

 

トヨタ、日産に次ぐ、日本第3位の自動車メーカー、本田技研工業。オートバイにおいても、世界的なシェアを誇るメーカーですが、今では、ホンダジェットのような航空機、アシモのようなロボット、及び、汎用製品(耕耘機・芝刈機・除雪機・発電機・船外機・太陽電池など)の製造も手掛けるなど、様々な事業を展開する、『●●メーカー』という言葉ではくくれない総合メーカーとなっています。

 

最近は、本田宗一郎時代のベンチャー精神を忘れ、ミニバンメーカーに成り下がったと揶揄されるようなこともありますが、実際には、今でも、かなり先進的な技術を開発しているメーカーです。

 

(二足歩行ロボットや各種ロボティクス機器の開発に関しては、世界最先端の位置にいますし、航空機開発においても、ターボファン式ジェットエンジンの技術は、ホンダ独自の、かなり先進的なものとなっています。)

 

もちろん、主軸事業となる自動車においても、電気自動車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車の開発に注力しており、2030年までには、7割以上の販売車両が、エコカーに切り替わると予想されるほどになっています。

 

タカタ問題の影響などで、北米市場での販売高が落ち、一時的に業績が悪化しましたが、コストカットを進めて、営業増益を維持するなど、ホンダの実力は健在です。

 

人材採用の動きについては、将来に向けた投資として、積極的に人材を募集しており、中途に関しても、様々な職種を対象にして、求人を出しています。

 

このページでは、本田技研工業の中途採用求人の傾向、及び、社員の年収・給与水準、就労環境についてまとめていますので、参考にしてください。

 

本田技研工業の中途採用求人の傾向

本田技研工業においては、様々な職種を対象に、中途採用で募集がかかっています。主なものをリストアップすると、下記の通りとなります。

 

  • 研究開発
  • 生産技術開発
  • 生産・製造技術
  • 施設管理
  • 品質(管理・企画)
  • 購買・調達
  • 物流・生産管理
  • サービス
  • 営業・マーケティング・企画
  • 人事・総務
  • 法務・知財・広報
  • 経理・財務
  • IT・システム
  • デザイン・クリエイティブ

 

応募条件に関しては、どの職種においても、該当業務に関する実務経験を有することが、必須となりますが、稀に未経験者応募可の求人が出てくることもあります。

 

また、海外拠点への赴任を前提とした採用となる求人もあり、その場合、語学スキル(英語・中国語等)が必須要件に加わることもあります。

 

なお、本田技研工業では、転職には興味があるけど、どの職種を選んでいいのか分からない、あるいは、今すぐの転職は考えていないけど、将来的には興味があるという人を対象に、キャリア登録制度を用意しています。

 

これは、職歴等、必要事項を入力すると、その内容を踏まえて、相応しい職務に関する求人を、人事部から提示してもらうことが出来るというものです。

 

また、現時点において、自分の職歴に合う求人がない時には、登録後、新しい求人が発生した時に、連絡してもらうことも可能なので、情報源としても活用出来ます。

 

求人情報の入手方法

本田技研工業から発生している中途採用者向けの求人情報の入手方法ですが、会社の公式サイト内に、採用情報ページが設けられており、そのページにおいて、現在、募集がかかっている求人の募集要項について、確認することが出来ます。
http://www.honda-jobs.com/

 

また、中途の場合、転職会社経由でも、求人情報が公開されているので、そちらから情報を入手することも可能です。

 

公式サイト、転職会社、どちらでも、入手出来る情報に変わりはありませんが、転職会社の場合、様々な企業の求人情報を押さえているので、ホンダだけでなく、他社の求人も含めて、比較検討してみたいといった時には、まとめて情報を入手出来るので便利です。

 

このページの最後に、本田技研工業の中途採用求人を扱う代表的な転職会社をリストアップしておきますので、参考にしてください。

 

本田技研工業の社員の年収・給与制度について

本田技研工業に勤務する社員の年収ですが、職種別に幾つか収入事例を挙げると、下記の通りとなります。

 

本田技研工業の社員年収

  • 生産管理 26歳 年収470万円
  • 生産管理 主任 35歳 年収700万円
  • 生産管理 主任 36歳 年収800万円
  • 品質管理 27歳 年収480万円
  • 品質管理 28歳 年収450万円
  • 品質管理 29歳 年収500万円
  • 品質管理 主任 35歳 年収800万円
  • 国内営業 24歳 年収450万円
  • 国内営業 30歳 年収600万円
  • 国内営業 33歳 年収700万円
  • 海外営業 28歳 年収670万円
  • 海外営業 40歳 年収1000万円
  • 購買 27歳 年収500万円
  • 購買 31歳 年収700万円
  • 購買 係長 48歳 年収1000万円
  • 商品企画チーフ 30歳 年収600万円
  • 営業企画チーフ 30歳 年収700万円
  • 事業企画チーフ 31歳 年収650万円
  • 技術開発 28歳 年収550万円
  • 技術開発 39歳 年収900万円
  • 人事 24歳 年収460万円
  • 人事 40歳 年収800万円
  • 設計 24歳 年収400万円
  • 設計 34歳 年収800万円
  • 経理 26歳 年収600万円
  • 経理 30歳 年収600万円弱

 

本田技研工業の給与体系は、毎月の給与にプラスして、年2回(6月、12月)の賞与が支給されるといったものとなります。等級制が導入されており、基本給は等級によって変動することになります。(給与改定のチャンスは毎年1、回6月に行われます。)

 

賞与は、会社の業績によって、支給額が変わりますが、そうはいっても、毎年、基本給5~6ヶ月分の間で調整されるので、変動幅はそれほど大きくはありません。(どんな業績が悪くても、5ヶ月分は担保されると考えて大丈夫です。)

 

福利厚生に関しては、日本を代表する大企業らしく、かなり充実したものとなっています。主なものをリストアップするだけでも、退職年金制度、互助会制度、財形貯蓄制度、住宅共済会制度などがあります。

 

また、社宅、独身寮、保養所、健康管理センター、スポーツ施設などが格安で利用出来るようにもなっています。

 

なお、社宅に関しては、中途採用者については、現在の住居から通勤困難と認められる場合(現在の住居からの所要通勤時間が1.5時間以上、または直線距離50km以上)、もしくは、現在、勤めている会社で、社宅・寮を利用している場合にのみ、入居可能となっています。

 

入居期限は3年(最長5年)となっており、社宅料は、給与からの天引きとなります。1DKで8000~15000円、2Dで15000 ~25000円程度となっているので、住居費については、かなり抑えることが出来ます。

 

もちろん、各種保険が完備されていますし、家族手当も支給されるので、こういったことも加味すると、本田技研工業の待遇面は、高いレベルにあると言えます。

 

中途採用で入社する時の注意点

中途採用の場合、前職までの経歴や実績を加味して、基本給が決まることになりますが、交渉次第で数字が変わってくるという要素もあるので、本田技研工業から提示された金額に納得がいかない時には、そこで妥協せず、会社側と交渉するようにしてください。

 

もし、お金のことで話をするのは気が引けるということであれば、前述した転職会社に交渉を代行してもらってください。彼らは転職のプロなので、この手の交渉事に慣れており、うまく話を進めてくれます。

 

何らかの上積みを勝ち取ってくれるケースが多いので、ぜひ一度相談してみてください。(ホンダの場合、仮に交渉をしなくても、それほど変な条件にはならないとは思いますが、転職時というのは、自分の要望を言いやすいタイミングでもあるので、遠慮なく伝えてもらったほうがいいです。)

 

本田技研工業の評価制度について

上記でも触れましたが、ホンダでは、等級制度が導入されており、本人の実績と能力を加味して、3段階評価で、人事考課が為される仕組みとなっています。

 

(ホンダでは、全社員に対して、評価制度の内容を解説する評価ハンドブックが配布されており、そちらで詳細について確認することが出来ます。)

 

等級を上げるためには、毎年、年度末に行われる勤務評価において、A評価を取る必要がありますが、年齢や勤続年数などは関係ないので、実力次第では、速いスピードで、給与・ポジションを上げていくことが可能です。

 

(新卒でも、入社後数年ぐらいで、同期の社員間で、昇進・昇給のスピードに、差が出るようになってきます。)

 

具体的な評価の流れとしては、まず課内で係長層による一次評価が行われ、その後、部内で課長層による二次評価が行われます。複数の人間から評価されることになるため、偏りが出ることがなく、誰から見ても、納得出来る結果になっているようです。

 

なお、上記の年収事例を見ると、『チーフ』、『主任』といった肩書きがありますが、これは、通常の会社でよくあるような職位を示すものではなく、一定の業務をこなすだけのスキルを有することを証明する、一種の資格のようなものです。(主幹という肩書きもあります。)

 

他社だと、特定の資格を持っている人間に対して、資格手当を支給するということがありますが、本田技研工業においても、それは同様であり、この『チーフ』、『主任』、『主幹』といった肩書きを取得した人間は、基本給が上がるようになっています。

 

本田技研工業の教育制度・成長環境について

成長環境という観点で、本田技研工業を見た場合、最大の特徴は、若手からベテランまで、非常に高度な業務管理(人員管理)を行っているということです。

 

本人のスキル・能力に応じて、適正な業務が割り当てられるようになっていますし、ベテランスタッフがフォローする体制もしっかりしているので、効率良く仕事を覚えることが出来ます。

 

そこで、能力が上がったと判断された時点で、もっと難易度の高い業務が割り当てられ、フォローを受けながら、その業務をこなしていくことで、自分の能力をさらに伸ばしていく・・・ということになります。

 

このサイクルを何度も回すことで、いつの間にか、ビジネスマンとして、大きく成長しているということになります。もちろん、自分の能力に比例した仕事が任されるため、常に全力を出さなければならず、これは簡単なことではありませんが、それだけに能力アップのペースは速いです。

 

元々、本田技研工業は、チャレンジ精神を高く評価する会社であり、挑戦したうえでのミスであれば、何も言われず、むしろ褒められるぐらいなので、失敗を恐れずに、仕事に取り組めます。

 

また、こういった社風なので、社内には積極的に仕事に取り組む優秀な社員が多く、そういった人達から刺激を受けて働けるというのも、自己成長という観点で見れば、プラスです。

 

ちなみに、業務の割り当てということに関しては、本田技研は大企業なので、縦割りがしっかりしており、自分の担当業務(役割)も、厳密に定められていますが、その反面、組織間の風通しは良いので、他部署の仕事を見る機会も多いです。

 

結果として、自分が関与する仕事の全体像が把握しやすくなっています。たとえば、1台の車を作るということであれば、企画から開発、製造、販売まで、一連のプロセスを総合的に見ることが出来ます。

 

いわゆる、組織の歯車となって、自分の担当業務のことしか分からないというような人間には、ならないということです。

 

この総合的に見る視点というのは、ビジネスマンとしては、非常に重要なスキルなので、それが、若いウチから、日常的に経験出来るというのは、今後のキャリアのことを考えても、大きなメリットです。

 

(海外業務も経験可能なので、グローバルで活躍出来るようなビジネスマンになりたいという人にとっても、良い会社です。)

 

また、本田技研工業は、社内教育制度も充実しており、キャリア別研修、職務内容別研修、語学研修、問題解決手法研修など、様々な教育プログラムが用意されています。

 

『個人は自発的に自分のキャリアを育成し、会社はそれを支援する』というのが、本田の考えなので、受講を強制されることはなく、自分の希望に応じて、利用出来るので、意義を感じないような研修を受けて、時間を無駄にするといった心配はなしです。

 

ワークライフバランスについて

本田技研工業は、就労環境が極めて良好な会社です。残業管理が徹底されており、毎日17時頃になると、上司から管理票を渡され、残業を行った場合には、実働時間分を記録することになるため、サービス残業は一切ありません。

 

また、残業が多い部署に関しては、人員配置の適正化を進めて、一人当たりの業務負荷を減らすことで、残業時間の削減を図るようになっており、結果として、本田の平均残業時間は、1ヶ月あたり、20時間前後となっています。

 

(なお、その背景には、機密管理の観点で、自宅で仕事をすることを禁止にしたということもあり、そのため、勤務時間内で、業務が回るように制度設計が為されています。)

 

また、本社や研究所などがメインとなりますが、フレックス勤務が導入されているので、自分の都合に合わせて、出退社時間を変えることも出来るなど、働き方の自由度も高くなっています。

 

有給については、会社として100%取得を推奨しており、こちらでも、社員が消化出来るように、会社がバックアップしているので、実際に、大半の社員が毎年、9割以上の有給を消化しています。

 

季節や部署によっては、一時的に業務量が増大して、勤務時間が長くなり、ワークライフバランスが崩れることもありますが、これはあくまでも例外的なケースです。

 

ワークライフバランスを重視する人にとっては、本田技研工業は理想的な会社と言えます。(文句なしにオススメ出来る会社です。)

 

女性の働きやすさについて

車、バイクと言うと、やはり男性に人気がある製品であり、そういった製品で高い人気を誇る会社ということで、本田技研工業は、男性社員の比率が高く、ほかの業種の会社と比較しても、やはり『男社会』という一面はあります。

 

同時に、女性だからといって、無意味に差別するようなことはないですし、最近では、会社としても、女性の活躍を推進しているため、女性社員も男性と同じ立場で、働くことが出来ます。

 

ただ、工場勤務だと、男が多いので、仕事の進め方でやりづらい部分がある、総合職だと、転勤が頻繁にあるなど、大変な部分もあるということは、頭に入れておいたほうがいいです。

 

キャリア開発という観点では、ホンダは、女性の管理職を増やす取り組みを強化しており、部署によっては、むしろ同じ能力の男性よりも、女性のほうが、昇進のスピードが速くなってきているぐらいです。

 

特に、広報、財務といった管理部門では、管理職に占める女性の割合が、急激に上がってきており、活躍のチャンスが、広がっています。

 

育児支援体制については、ホンダでは育休、産休を、無条件で自由に取得出来るようになっていますし、職場の同僚からの理解もあるので、安心して子育てと仕事の両立を図ることが出来ます。

 

なお、育休から復帰した後には、時短勤務を選択することも出来ますし、その場合においても、昇進・昇給の機会は開かれているので、キャリア形成上、出産・育児がネックになるということもなしです。

 

(たとえば、時短勤務で働いていたとしても、そこで実績を残せば、昇進することが可能です。)

 

男性の比率が高い男社会ではありますが、そのなかで揉まれながら、バリバリ働くことが出来ますし、結婚後も仕事を続けやすい環境なので、本田技研工業は、女性に対しても、文句なしにオススメ出来る会社です。

 

本田技研工業の転職先としての価値

本田技研工業は、給与水準、福利厚生ともに、好待遇ですし、雇用の安定性という点でも問題なしです。定年まで一定水準の生活が保証されるので、一生、勤めあげることが出来るような会社を探している人には、オススメです。

 

また、本田技研工業は、チャレンジ精神を持つ会社なので、色々なことに挑戦出来るし、優秀な人ばかりなので、仕事に対するやり甲斐を持てるというのも、大きなメリットです。

 

その反面、敢えて、マイナス点を挙げるとすれば、そうは言っても、日本の会社なので、良い意味でも悪い意味でも安定しています。

 

外資のように、仕事はハードでキツイけど、そこで結果を出せば、短期間で収入を数倍に増やせるといったチャンスはないので、成果主義の雰囲気が好きな人にとっては、物足りない部分があるかもしれません。

 

このあたりは、本人の価値観次第ということになるので、ホンダが、自分が求めているものを満たす会社なのかどうか、じっくり見極めたうえで、転職の判断を下すようにしてください。

本田技研工業の中途採用求人を扱っている転職会社

下記に、本田技研工業の中途採用求人を扱う転職会社をリストアップしておきますが、彼らは社内事情に精通しているので、このあたりの判断に迷うようでしたら、相談してみてください。客観的な視点でアドバイスしてくれるので、参考になります。

 

また、転職会社は、様々な企業の求人情報を押さえているので、他社の求人を紹介してもらうのもアリです。本田技研工業以上に、自分に合う会社が見つかるかもしれないので、興味がある人は、ぜひ他社のことについても、聞いてみてください。

 

※JACに関する補足

  • JACは海外移住、海外転職を支援するサービスではありません。海外勤務、海外駐在などの求人を紹介してもらえます。
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